トヨタ自動車の強さの秘密を見る

エンジニアリング振興協会主催のエンジニアリングシンポジウムが東京大手町で開催された。トヨタ自動車の副会長張さんが初日の基調講演を行った。その講演にトヨタの強さの秘密を見た思いがした。内容よりもパワーポイントで作成されたスライドの質に関してである。
そのスライドはとても素朴で飾り気の全くないものだった。貼られている写真の左右のサイズが微妙にずれていたり、平行する矢印の長さが不揃いだったり・・・
推測するに張さんは今回の講演の総てを自分一人で準備したのではないか。もし彼が部下にスライドの作成を命じていたら部下はあのままのスライドを提出するとは思えない。なにせ天下のトヨタ自動車の副会長が講演するのだ。細部に至るまで丁寧に見映え良く仕上げたに違いない。
昔、東京12チャンネルの小谷アナが取材を申し込んだ時、張さんは最寄駅まで自分の車istを運転して迎えに出たそうである。
経営者と言えども神輿に乗っているだけでなく、自らがハンドルを握り、アクセル・ブレーキを踏み会社という車を運転する、強い当事者意識を持った経営者が会社を強くするのだろう。
自分の事に無意味に部下を使わない、トヨタイズムの徹底振りを見るようで、それが僕を感動させた。