マスコミよ、靖国神社問題を正確に報道せよ

小泉首相靖国神社へ参拝を行った。服装も普通の背広、昇殿もせず、記帳もせず、というものだったがやはり中国・韓国の政府からは抗議の声があがった。そしてまたそれをマスコミがあおりたてる。マスコミの報道は的を得ているのか?
小泉首相が言う「戦争で亡くなった方に敬意と感謝の気持ちを表すのは有意義だ」というのはたぶん正論だ。
阪高裁の判決は「戦没者を祀るのが神道という個別の宗教であることが問題だ」と言っているようだ。
中国や韓国の言い分は多分「戦地で散った兵士・兵卒への哀悼の念なら分かるが、靖国神社には終戦後も生きた戦犯達まで祀ってあるではないか。我々の敵、日本人民の敵でもあった戦犯達を拝むのは止めてくれ。」という事ではないか。
互いの論点がすれ違うところに、そしてそのすれ違いを明確に認識しないところに靖国問題の一番のポイントがある。
それぞれの論点を明らかにしてすれ違いについての認識を促す事こそマスコミの役割ではないか。それなのに「国のために若い命を落とした人達の冥福を祈る行為を、外国の人間がとやかく言うべきではない。」などの主張を繰り返す事は互いの誤解を拡大するばかり。日本政府が明かにすべきは「何故参拝するか、参拝の意義」ではなくて、「何故戦死したのではない人を祀るのか」である。ついでに公明党など小泉首相の参拝に反対する日本人達には何を反対しているのかを明確にしてもらいたいものだ。
誤解が誤解を生み、最後は力で決着をつけよう、なんてならない事を祈っている。

後日談:こういう問題は最終的には第三者の意見、国際社会の意見がどちらの味方につくのかによって決着すると思う。ちなみにニューヨークタイムの18日社説は「参拝は無意味な挑発」という意見らしい。(10月19日付け読売新聞朝刊)