アメリカは自由国家ではないのか?

今日の日経新聞夕刊の社会面に「元チェス王者に市民権付与 アイスランド」という小さな記事があった。アイスランドが元チェス世界王者のボビー・フィッシャー氏(米国人)に市民権を付与する決議をした、というのである。ちなみにフィッシャー氏は日本の入管当局が身柄を拘束している。日本の法務省はフィッシャー氏のアイスランドへの出国について前向きに検討する、と記事は報じているが、肝心の事件の背景については述べられていない。
どうして米国人のフィッシャー氏が日本で身柄を拘束され、アイスランドの市民権を得なければならなかったのか?実はフィッシャー氏が1992年ユーゴスラビアで開かれたチェスの大会に出場して賞金約300万ドルを得ていたからだ、というのだ。(asahi.com)当時アメリカはユーゴスラビア経済制裁を科していて、その制裁違反の罪に問われていた、というのである。
米国は自由の国だと思っていた。かのブッシュ大統領も盛んにそれを言う。それなのにチェスの大会に参加する自由すらもないのか?
確かに経済制裁に反したかもしれない。しかし武器を輸出したわけでもない、石油などの戦略物資を輸出したわけでもない、自分の腕で賞金を勝ち取っただけではないか。
悪法でも法律に従え、とはソクラテスの言葉だが、ならば悪法でもフセイン金正日の法に従うべきなのか?!