堤王国の崩壊

「○○商会は会社の名前になっているけれども、その実、これは全く△△家の事業であって、会社の事はすべて社長である自分が決めるし、会社の利益はすべて社長のものだ」
上記は堤氏が言ったことではない。○○は「三菱」、△△は「岩崎」であって、岩崎弥太郎が言ったことだそうだ。(岩波新書:会社本位主義は崩れるか)
いつの時代でも事業を興す人はそういう気持ちでいるのだろう。かつても武将も同じ気持ちだったかも知れない。
それにしても堤康次郎が息子に言ったという「友人を作るな」とはなんと悲しい家訓だろう。
僕の人生において最も幸福なひとときは友人との談笑の時である。つらい仕事を我慢するのも、この談笑の時を楽しむための資源がほしいから、と言ってもいいくらいだ。友人を無くすくらいならお金なんていらない、と思うのは「どうせあの葡萄は酸っぱいさ」と言ってあきらめるイソップ童話の狐と同じなんだろうか??