台風。JRのCS意識

台風23号が去っていった。平成に入って最大の被害を残して。
幸い関東地方の被害は少なかったが、昭和8年のカスリン台風の時は栗橋町利根川の堤防が決壊し、我が幸手の町も水没したそうだ。西日本の被害が他人事には思えない。
それにしても、舞鶴でバスの屋根の上で一夜を過ごした人は不安だったことだろう。屋根に上がってからも水位がヒタヒタと上昇する様を見るのは生きた心地がしなかったのではないか。救命ボートが近づくことすら出来ない流れの中で、よくバスが倒壊しなかったものだ。
関東地方の台風の影響は少なかったとは言え、朝の埼京線には遅れが出ていた。「遅れ」とは言っても、電車がダイヤ通りに動いていなかった、というだけで、赤羽から新宿までは普通通り15分程度で移動できた。乗客にしてみれば特に問題はないが、JRは盛んに「遅れて申し訳ない」というアナウンスを流す。それより問題は行き先を的確に伝えない事。僕が乗った電車は赤羽から池袋に着くまでずっと「この電車は新宿止まりです。」とのアナウンスが流れていた。それが池袋を出た途端に、「通常新宿止まりの電車ですが、本日は新木場行きとさせていただきます。」と場内放送が流れる。「変更して申し訳ありません。」と例によって「申し訳ありません」だ。それを言うなら池袋のホームで待っている人に言うべきだ。電車に乗っている僕らは普段に増して空いていた列車に喜んでいたくらいだから。
自分中心の「遅れ」の概念、誰が本当に情報を必要としているのか考えていないアナウンス、JRのCS意識は民営化したとは言え、まだまだ低いと言わざるを得ない。