動物園に見た楽しむ事の本質

今夜のNHKの「クローズアップ現代」は北海道旭川市旭山動物園を取り上げていた。
動物たちの自然で生き生きした姿を見せる(「行動展示」と呼んでいるらしい)事により、集客の大幅増を達成した、という事だった。
ペンギンは適当な広さの水槽内をもの凄い速さ、俊敏さで泳ぎまわっている。その姿は地上でのあのヨチヨチ歩きからは想像も出来ない速さだ。
白熊は観客の頭がちょうど自然界では獲物がいる位置に来るような水槽に飼われていて、時々その獲物をめがけて勢い良くダイブする。それが素晴らしい迫力で観客の目の前で展開されるという仕掛けだ。
猿にも単純に餌を与えるようなことはしない。複雑な間仕切りを持つ箱に木の実を入れておいて、猿が工夫して取り出す様を観客に楽しんでもらう。
園長さんは「お客様は動物が寝ているところを見ても面白くない。動物が楽しんでいる所を見て欲しいんです。」という。動物たちは餌を十分に与えられて飽食・安穏な時間を過ごす事が楽しいわけではないのだ。餌を得るにしても、工夫し、苦労して結果を出す、その事が楽しいのだ。
人間だって同じだ。楽な生活が楽しいわけではない、それを改めて思った。
人間は神様が作った動物園(人間園)で暮らしているのかも知れない。