北京で見たもの-3

泊まったホテルは住所が北京市朝陽区東三環南路100号のプラザ・ホテルであった。北京の中心、天安門から東南方向に車で20〜30分のところだろうか。回りには店らしい店もなく、いかにも場末の感じ。ただ、それだけに旅行客向けではない北京の実態を見ることが出来た。
朝早めに起きて、集合時間までの間ホテルの周りを散策する。土曜日の朝七時と言うのに自転車でどこかへ向かう人の多い事。バス停にも沢山の人がいる。蓋し街の活気は早朝の人の多さに現れているのではないか。中国経済の活性を見る思いがした。
散歩しながら閉口したのは歩道の汚さだ。バスを待っている人が食い散らかしたものであろう、果物の食べかすなどの生ゴミがあちらこちらに散乱している。煙草の吸殻は当たり前。シンガポールがきれいな街だ、という風評を実際に行って見て「それほどでもないな」と思った事があるが、この北京の実情を見ると、確かにシンガポールは段違いにきれいだ。あの風評の真実味を北京で知った。

(旅行書によると北京市の面積は1万6807平方キロメートル。四国が1万8890平方キロメートルだからほぼそれに匹敵する。勿論「市」と言っても中国では「県」より上の行政単位であるから日本と単純な比較は出来ないが、北京市の大きさを実感できる数字ではある。)