駅の改造と小泉改革

新宿駅南口コンコースでは今朝駅員の「長い間ご迷惑をおかけしました。おかげでエレベーターが完成しました。」との声が響いていた。
1番線2番線の埼京線から南口出口に向かう通路はいつも人で混雑している。特に通勤時間帯は牛歩でなければ歩けない状態だった。そんな中、突然工事の仮囲いが出現して、狭い通路がより狭くなってしまった。仮囲いの両側には警備員が立って「ご迷惑をおかけします。」を連呼していたものだ。
その時は工事期間中だけ不便を我慢すればいいのだ、と思い込んでいた。だが今日その不便は恒久的なものであることを知らされた。もちろん、体の不自由な人のためにエレベータを設置するのは大変良いことだ。だが、動線・交通量を無視した配置や工事期間中の対応などを見ると何か納得のいかないものを感じる。

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新聞には定率減税の廃止のことが載っている。小泉首相は「改革のためしばらく痛みを我慢して欲しい」と叫び続けてきた。小泉改革の本質は日本の高コスト構造にメスを入れ、日本の世界的競争力を上げることではなかったのか。税金や公共料金などをさげ、民間の活力を向上させる、そのためには一時的な痛みも耐えましょうというのが合意であった。
然るに、社会保険料は上がる、税率は上がる、新税の導入もありそう・・・一体誰のための何を目指した改革なのか?
小泉改革の痛みが恒久化しないことを切に願う次第である。

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12月1日:エレベーター横の駅員の姿は消えた。完成の翌日にしてエレベーターの存在は認知されたらしい。大混雑する両脇の通路を横目に、エレベータから降りたのはいかにも健康そうなサラリーマン二人であった。